舞台「盗聴」をひたすら考察するブログ
間違ってこのページを開いてしまった非盗聴済みの方、落ち着いてブラウザバックすれば大丈夫ですよ。
ネタバレ見たさに耐えてきたけど出来心で開いてしまった非盗聴済みの方、濵田座長の言葉を思い出してください。
さぁ、ブラウザバックしましょう。
もう少しの我慢です。観劇し終えた時は、ぜひ共に考察しましょう。
ネタバレ見ない方が確実に楽しめる舞台ですから。
自分も見に行ってそれを強く感じました。
皆様どうか無事に観劇の日を迎えてくださいませ。
もう盗聴済みの方しかいないかな??
大丈夫ですか??
では始めます。
ジャニーズWEST・濵田崇裕の主演舞台「盗聴」
この作品についての考察をまとめます。
私は初日の10月31日18:00公演と、11月14日18:00公演の計2回観劇させて頂きました。
1回目は作品を純粋に楽しみ、2回目は紙とペンを握りしめ見た盗聴。
1回目に見た盗聴と2回目に見た盗聴、見え方が違いすぎる。
結末を知らなければ自然に、知っていれば伏線に見える表情を見せた濵田さん。
激やばです。(褒めてる)
1)観劇1回目
以下は観劇後に殴り書きしたメモから抜粋したもの
- これはネタバレNGだわ。衝撃の結末。
- 途中盗聴する側と嘘つく側のどちらが悪いのかって話の時に、榎木田は盗聴する側を批判してなかった?自分を責めてたのかな
- キーワードは性善説なんだろうな
- 睦美と健吉に信じてもらっていたし信じられる相手だったはずなのにどうして?
- 彼女に愛されたかったのは愛にあふれた家族を取り戻したかったから?
〇パンフレットを読んで
- 「与えられなかったものを求める」→榎木田は家族を失い愛に飢えていた?
- 「疑ってるけど失いたくない」→自分を大切にしてくれない人と一緒にいても心が削れるだけでは。自己肯定感が低いのかな。→なぜ?→家族を守れなかったから?
〇浮かんだ疑問
- 自殺者の遺族はかなり自分を責め、遺族の数人に1人は自殺を考えるらしい。→姉と母親を失っても頑張って生きてきたのに、なぜこのタイミングで自殺してしまったのか
- 家族の死からどれくらい経っていたのだろう
- なぜ盗聴が良いことを生まないことを知っていても、家族を失う原因になったものでも同じ道を辿ってしまったのか
- 「悪いこと?沢山ありすぎてどれか分からないや」→榎木田がした悪いこととは。
- 翼をくださいを歌った意味
- 最後の涙の理由
- なぜあいりを殺したのか。仕事を馬鹿にされてそんなに怒る?
〇2回目の観劇で注目したいシーン
- 「噓がばれたら責任を取らないといけない。」いつどんな風に言っていたか
- 華怜が依頼に来た時の表情
- 盗聴する側が悪いと話した理由
- 結末の伏線がないか
2)観劇2回目
伏線ありすぎて怖い。結末を知ったら色々違う風に見えてくる。
〇これってもしかして伏線?(多分時系列順)
- VOX:音に反応して起動する。見つけるのが難しい
- 乗車シーン)性善説の話。「信じるに値する人は必ずいる。そう思わないと、生きてることに希望が持てないだろ!?」
- 「人生って自転車と一緒だと思うんだ。倒れないためには前に進むしかないんだよ。」
- 華怜が来た時の顔。一目惚れの顔じゃなかった。信じられないものを見るような、思わず固まって声が出ない、そんな顔。
- 華怜の依頼を受けた時。榎木田「ちなみにうち(撲滅隊)のことはどこで?(知ったのか)」華怜「ネットで知りました」
→感情が分からない声で聞いてた。多分殺人犯の人格出てた。あいりと自分の関係を華怜が知ってるのか確認しようとした?
- 「睦美ちゃんそんなことできんの!?」「ガールスカウトで習ったのでっ」「今度教えて!」
→あの盗撮犯シーンの意味は、この流れを作ることだったんだろうなと思う。
- あいりの友達が華怜の部屋を訪ねてきた後、健吉らに背を向けて榎木田「どうしよどうしよ...」
- あいりが失踪したと聞いた時の榎木田:何とも言えない表情。感情が読めない感じ。
- 睦美の元カレへの健吉の言葉「愛されることがどんなに幸せなことか。お前を好きな気持ちは本物だったんだよ。それを裏切ったんだよ!(ニュアンス)」→榎木田黙ってじっと聞いてて、心に刺さってるのかなと思った
- ベム歌唱前。健吉「俺らもう人間じゃないっすか」榎木田「誰もが完璧な人間とは言い切れないだろう」
- ベムの「早く人間になりたい」セリフパート。1回目が榎木田、2回目が睦美
- 嘘つく側と盗聴する側どっちが悪いか。健吉は嘘つく側に一票。榎木田「そうかなー?盗聴とかみんな色んなこと知ろうとしすぎじゃない?世の中には知らなくていいこともあるから。盗聴する方が悪いんだよ(ニュアンス)」
- 「ただ、嘘がばれた時は責任を取らなきゃいけないと僕は思う。」
- (うろ覚え)最初の車シーン:榎木田「盗聴する人がいるから僕らは生活できてる。皮肉だよな」(喧嘩シーン:あいり「盗聴撲滅隊とか言ってるけど、盗聴する人がいるから生活できてるんでしょ!?」)
〇1回目の時の疑問への自問自答
Q.自殺者の遺族はかなり自分を責め、遺族の数人に1人は自殺を考えるらしい。→姉と母親を失っても頑張って生きてきたのに、なぜこのタイミングで自殺してしまったのか
A.健吉らに犯行がバレた後、「俺はもう自分を信じられなくなった」と榎木田は言った。これが大きな理由だと思う。
性善説は、人は皆生まれながらにして善であるというもの。榎木田は自分が善人だとはどうしても思えなくなった。
そしてこの台詞の伏線が、健吉との最初の乗車シーンの台詞「信じるに値する人は必ずいる。そう思わないと、生きてることに希望が持てないだろ!?」なのではないだろうか。
自分を信じられなくなり性善説を信じることに限界が来た。それは榎木田にとって生きる希望が失われるということを意味する。
Q.家族の死からどれくらい経っていたのだろう
A.これは劇中で触れられていない。けれど姉の死は10代後半くらいな気がするから、10年は経ってるのでは。(根拠なし)
あ、国家資格持ってると言ってたから勉強したりなんやらする時間もかかってるはず。
Q.なぜ盗聴が良いことを生まないことを知っていても、家族を失う原因になったものでも同じ道を辿ってしまったのか
A.盗聴撲滅隊の仕事をしていると、人の裏の顔が見えて人を信じられなくなる。純粋な榎木田だったからこそ盗聴の闇に飲まれた。不安に襲われて居ても立っても居られなかったのかな。
Q.「悪いこと?沢山ありすぎてどれか分からないや」→榎木田がした悪いこととは。
A.この台詞の後に睦美「もしかしてあいりさんのことも榎木田さんが殺したんですか」と続くため、悪いこととは2つの殺人のことだろう。
ちなみにあいり殺害が初犯なのか論争があるけれど、私は初犯派。(この話は最後のQにて)
Q.翼をくださいを歌った意味、最後の涙の理由
A.最後の歌唱で、2番まで歌っていた意味である。これは分かりやすかった。
「子供の時 夢見たこと今も同じ 夢に見ている」
このパートから涙で言葉が詰まり始めていた。榎田の気持ちにぴったりの歌詞だ。榎木田の夢は、なぜ撲滅隊を始めたか話すシーンで語られている。
「子供の頃の夢は、自分が立派になって2人を幸せにすること」
これは榎木田の本音だと思う。今でも叶わない夢を見ていたんだ。家族の話をした時、睦美「辛い話をさせてごめんなさい」榎木田「もう乗り越えたから」と言ってたけど、全然乗り越えられてなかったんだろうな。
そしてこのパートの後から車のスピードが上がり、声が聞こえなくなっていった。
叶わない夢を最後まで見て、温かかった家族を思い出して。この夢が叶わないことやこれから自分がすること、理想と現実の差が只々悲しくて。全て終わりにしよう、スピードを上げていったシーンはそんな感情の動きがあったのだろうか。
Q.なぜあいりを殺したのか。仕事を馬鹿にされてそんなに怒る?
A.仕事を馬鹿にされたのは怒りの助走、決定打はあいりが禁句を言ったからではないかと思っている。
もしもう一度観劇できるなら、確認したいのはこのポイントだなぁ....
うろ覚えだけど、最初の乗車シーンで榎木田「盗聴する人がいるから僕らは生活できてる。」不本意だけど、って感じで言ってた気がする。複雑そうな顔で。
喧嘩シーンで、あいりに「盗聴撲滅隊とか言ってるけど、盗聴する人がいるから生活できてるんでしょ!?」とエプロン投げられる前くらいに言われた。
図星をつかれたというか、地雷を踏んだというか。
子供の頃の夢をまだ忘れられずにいた榎木田、”罪に問われるレベルの”盗聴への恨みは消えていないはず。憎い対象のおかげで生活できている、そんな状況に複雑な思いはあった。そこを土足で突っ込まれた。ついカッとなって突き飛ばした。
同じ台詞があるって、確実に意味があると思うんだ。(記憶違いだったらどうしよ...笑)
初犯だと思う理由は、上記が殺人の理由だと思っているから。あと殺害後「何度も自首しようと思ったよ」的な台詞があって。初犯じゃないのに今更自首するのか?という疑問もある。
仕事を侮辱されたのも不快だったと思うけど、それだけで殺さないと思う。
これまで盗聴してきた彼女に盗聴がバレた時も、そういう侮辱を多少は勢いで言ってしまう人いたと思うんだ。
私の解釈だと彼は初犯だから、それだけなら温厚な彼は耐えられたんだろう。珍しくないことかもしれないし。
ただ、1回目の翼をくださいを歌うきっかけの場面。
睦美「素敵な仕事ですね」榎木田「(嬉しそうな顔)じゃあ歌うか!」
って感じだったから、仕事を褒められるのは嬉しかったんだと思う。
ここからは考察を淡々と書いていく。興味があるところだけ見ておくれ。
〇考察消化タイム
1)管理人の殺害と嘘がバレた時の責任
管理人を殺害した時、「嘘がバレた責任を取らせた」のか?とも薄っすら思う。
もちろん罪を擦り付けることが動機だけど、その行為を正当化する理由として
「嘘がばれた時は責任を取らなきゃいけないと僕は思う。」
この台詞が効いてくるような気がしている。
それに、睦美の元カレの部屋に突撃した後も「マンション解約されるだけで済んでラッキーだと思え!」って台詞があった。
だから榎木田にとって嘘がバレた責任っていうのは、まぁまぁ大きなものだったんじゃないかと思ったのも根拠の1つ。
2)妖怪人間ベムの選曲理由
これは曲というより、曲前の台詞の方が意味があると思っていた。
でも盗聴した組だけが「早く人間になりたい」パートを歌っているのは意味がありそう。他の方の考察見て思った。
ちなみに歌唱中の表情観察したけど、意味深な顔はしてなかった。
3)なぜ管理人をわざわざ”首つり自殺”に偽装したのか
姉の死に方と同じ。
「今でもその光景(姉の首吊った姿)思い出すけど...まあそれはいいや」
という台詞を暗い顔で言ってたくらい、嫌な思い出のはずなのに。
考えたのは、姉を追い込んだ盗聴犯への復讐。過去に姉を追い込んだ盗聴犯が管理人に重なって、同じ目に合わせてやろうと思ったのかもしれない。
4)榎木田が愛されていなかった説について
これは他の方の考察読むまで考えもしなかった。
榎木田視点の家族は本当は嘘。彼は愛を知らずに育ち、だからいびつな愛情表現になってしまったというもの。
これもあり得るかもしれないけど、私は榎木田の話通り家族の仲は良かったのではないかと思う...てかそれを前提において考察してしまった...
「盗聴は身内が加害者であることが多い」っていう最初のシーンが伏線だったり、最後歌いながら泣いているのも「そんな家族になりたかった」という思いからだったりと考えれば納得はいく。
でもそうなると”盗聴犯のせいで姉が死んで、更に母親もいなくなった。だから盗聴を恨んでいる”という撲滅隊ができた大前提が崩れてしまうんだよ。
あと流石に台詞をそこまでガン無視したシナリオは作ってないと思う。(そういう考えやめろ)
榎木田がいるのに母親が自殺?したのは姉だけを愛していたからという考えにも「なるほど」と思ったが、人はあるものより失ったものに注目してしまう生き物だから、つまりそういうことなんじゃないかなと思っている。
姉を盗聴して音声をバラまいて、姉より自分が優秀で大切にすべき子供だと母親に思われたかったとか、管理人を首吊り自殺に偽装したように姉も同じようにやったとか、いくらでも浮かんでしまったけどね...
でも姉の首吊った姿思い出している時の榎木田、表情が本当に暗くて。いつもの明るい榎木田と全然違ったから、そういう点でも姉の死は嘘なく辛かったんだと思う。
観劇1回目の感想より。
5)睦美と健吉に信じてもらっていたし信じられる相手だったはずなのにどうして?
→自分を信じられなくなっちゃったから。自分を信じてくれる相手すらも受け入れられなくなってしまったのかもしれない。
6)彼女に愛されたかったのは愛にあふれた家族を取り戻したかったから?
→榎木田が盗聴していたのは恐らく恋人関係になった人のみ。つまりそこに執着心があった。
「俺はいつも歌うタイミングを探してんだっ(糸歌唱前の台詞)」
3人で歌っている時間は、昔の自分に戻れた気がしたとかあるかな。
家族への思いを忘れられずにいた榎木田。壊れてしまった家族。
もう一度やり直したかったのかもしれない。理想の家族を取り戻したくて。
ただ浮気が発覚しても怒らず「謝ってくれればそれでいい」とか、仕事を貶され始めても「俺はあいりのことが好きすぎてっ」とか言うんだよ?依存、自己肯定感の低さが露骨。そんなんじゃ家族になっても貴方の理想は手に入らないって......(感情移入中)
7)コノコエガキコエマスカ?の意味
HP見るとブワァーっと台詞などの言葉が現れた後にこのフレーズが出てくる。
だから盗聴撲滅隊としての言葉なんだと思うけど、榎木田の言葉でもあるんだろうなと感じるようになった。
パンフレットの最後の方にあるページを見ると、ぼんやりと浮かび上がる榎木田の横顔に、控えめな形でこのフレーズが添えられている。
”榎木田の心の奥にある誰にも言えなかった”コノコエガ、キコエマスカ?という意味もあるんだろうなぁ。
マニアックめな考察を最後に。
8)榎木田は健吉たちからの盗聴に気づいていた説
だって嘘がバレてから責任を取るまでがスムーズ過ぎないか?
元々どうするか決めてた説が濃厚だろう、という考えから浮かんだ仮説だった。
舞台序盤のシーンに登場するVOXが伏線だと思った。
「音に反応して起動する。見つけるのが難しい」
だから榎木田も盗聴に気づかなかったのか、と始めは思った。
しかし管理人の部屋にいるシーンで、榎木田は「この部屋に盗聴器が仕掛けられている反応がありまして」と撲滅隊の一員としてそこにいた。そして盗聴探査機を持っていた。
調べるとVOXは声を感知してから録音開始までタイムラグがあるが、それはたった1~2秒。榎木田がレーダーを起動している間に盗聴機が作動し反応するはずだ。
しかし劇中、レーダーに反応はなかった。はて。
調べた。
榎木田を問い詰める時、睦美は「さっき録音聞きました。」と言っていた。
睦美らが使ったのは、VOX機能搭載ではない録音式盗聴器なのでは?
録音式は電波を発信しないから盗聴発見器では見つけられないらしい。
だからレーダー持っていても反応がなかったのか!と納得することに成功。
睦美たちが撲滅隊の仕事として榎木田が乗り込むことを知っていて、だから録音式を選んだのかもしれない。
(同じところに引っかかっていた方の参考になれば嬉しいな)
まぁ睦美たちが盗聴していたことを知った時の榎木田の反応を見れば、本当に気づいてなかったんだなって受け取れるけどね。
一瞬で笑顔消えたもんね。それまでは誤魔化してたのに。
ただもし知ってたらやばかったなという話でした。
【あとがき】
なんで私の考察ブログってこんなに長いわけ?????
星の雨といい。考えちゃうんだよなー徹底的に調べちゃうんだよなー
良いんだか悪いんだか。笑
長すぎるから、せめて読みやすくなればと目次から飛べるようにしました。
好きなところだけ読んで楽しんで頂ければ何よりです。
感想を書く気力がありません。
ただ手短に言うとしたら、伏線を見つけても更にその伏線があって何回見に行っても「もう1回!」ってなる作品。
あとふせったーにも書いたけど、真夜中のLionが結構合うと思った。
2番の「行く手を阻むものはいつでも自分さ」で深いため息が出ます。(榎木田を思うと)
これ以上は、また気が向いたらということで。
ありがとうございました!!
榎木田歩を後世まで語り継ぎます。
本当に面白い作品でした。